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運動中に最適なドリンクとは。運動の効果を最大限引き上げる!

コラムをご覧いただきありがとうございます。
Dr.トレーニングサプリメント開発担当の豊田浩史です。


私は日本人の多くが予防にお金をかけず、治療にお金をかけることに強い疑問を持っております。
つまり、薬に頼りすぎているということです。
病気は外的要因などありますが、根本は普段の栄養摂取が大きく関係しています。
また、現在主流の西洋医学は現代人に栄養失調はないと決めつけている傾向があります。
このような流れを変えたいと思い、現在トレーニング指導やサプリメント開発に携わっています。
少し難しい内容もあると思いますが、健康のまま人生を全うしたい人は是非ご覧いただけたら幸いです。

今回解説するのは「最適なスポーツドリンク」についてです。
ここでの述べる最適なスポーツドリンクとは、運動のパフォーマンスをできるだけ落とさないためのドリンクです。
運動中のドリンクで困っている人は是非最後まで読んでみてください。

真水ではいけない理由

運動中のドリンクを考えいく中で「普通の水ではいけないの?」という疑問の声もあると思います。 決していけないわけではありませんが、運動のパフォーマンスを落とさないためにはベストな選択ではないのです。

また、大量の汗をかいた時に水のみを大量摂取すると「自発的脱水」を引き起こします。その理由を知るためには運動をすると体内で起きる変化を知る必要があります。 主な体内の変化は以下の通りです。

・水分の排出
・電解質の排出
・グリコーゲンの減少
・筋タンパクの代謝回転の活性化

水分の排出は説明するまでもありませんので、電解質の排出から説明します。
電解質とは水に溶けると電気を通す物質のことです。
具体的な電解質には、ナトリウムイオンやカルシウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオンなどがあります。
例えば、ナトリウムが不足し低ナトリウム血症になると、筋力の低下や痙攣を引き起こします。

グリコーゲンの減少とは、筋グリコーゲンや肝グリコーゲンを指します。
これらが不足すると運動のパフォーマンスは低下します。

筋タンパクの代謝回転の活性化とは、筋タンパクの同化と異化が促進されるということです。
例えば、この時にアミノ酸を補給しなければ異化が優勢になり、筋肉の分解が促進されてしまいます。

これらの基本的な知識を含めてスポーツドリンクを考えていきましょう。

最適なスポーツドリンク

最適なスポーツドリンクは上記で説明した物質の減少を最大限抑えることになります。

【電解質】
まずは電解質ですが、特に運動中に不足しやすいのはナトリウムです。
つまり、ドリンクにナトリウムを入れるのが良いでしょう。 日本救急医学会による熱中症診療ガイドラインでは、食塩濃度0.1~0.2%が推奨されています。(※1) これをナトリウム濃度にすると100mlあたり40〜80mgになります。

【グリコーゲン】
国際スポーツ栄養学会 (ISSN)では運動中に30〜60g/hの炭水化物量を推奨されています。(※2)30〜60gとばらつきがあるのは運動強度によって変化するためでしょう。
また、タンパク質と共に摂取すると筋グリコーゲンの貯蔵量が増えることが示されており、EAAなどのアミノ酸に糖質を溶かすとより効果的です。
さらに、筆者がお勧めしたい糖質の種類はグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)です。
これらは小腸で吸収される時の輸送体が異なるため、組み合わせることで最大限糖質を吸収させることができます。
グルコースとフルクトースの混同比率は2:1が良いでしょう。

【筋タンパクの代謝回転】
運動を行うと筋肉が刺激されて、筋肉の異化と同化が活性します。
この時にアミノ酸を摂取しないとタンパク質の異化が優勢なっていしまいます。 そのため運動中にはアミノ酸を補給することにより、逆に同化を優位にすることができます。
そのため、運動中はEAAやペプチドなどのアミノ酸の摂取が推奨されます。
摂取量は骨格筋量などによって変化しますが、必須アミノ酸として10g摂取すれば効果は体感できるでしょう。

まとめ

・運動をすると体内の水分や電解質、グリコーゲンが減少する。
・運動をして筋肉を刺激すると筋タンパクの代謝回転が活発になる
・運動中は電解質やアミノ酸、糖質をドリンクに混ぜると良い。

参考文献

(※1)日本救急医学会、「熱中症診療ガイドライン2015」2015.
(※2)Kerksick CM, Arent S, Schoenfeld BJ, Stout JR, Campbell B, Wilborn CD, Taylor L, Kalman D, Smith-Ryan AE, Kreider RB, Willoughby D, Arciero PJ, VanDusseldorp TA, Ormsbee MJ, Wildman R, Greenwood M, Ziegenfuss TN, Aragon AA, Antonio J. International society of sports nutrition position stand: nutrient timing. J Int Soc Sports Nutr. 2017 Aug 29;14:33. doi: 10.1186/s12970-017-0189-4. PMID: 28919842; PMCID: PMC5596471.

[筆者]  Dr.トレーニングプラス 開発担当
豊田浩史
保有資格
・ADIDAS FUNCTIONAL TRAINER[監修] 
【監修】
株式会社Drトレーニング代表取締役 山口元紀
保有資格
・BOC ATC (全米アスレティックトレーナーズ協会認定トレーナー)
・NASM-PES (全米スポーツ医学協会認定パフォーマンス向上スペシャリスト) ・PRI Myokinematic Restoration
・PRI Plelvic Restoration
・IASTM
・NKT
・SFMA
・BTS ・保健体育科教員免許 経歴
・元レッドソックス アスレティックトレーナー
・FUBIC 外部取締役
・ミス・ワールドジャパン公式トレーナー

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