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エネルギー摂取制限と寿命の関係性

コラムをご覧いただきありがとうございます。
Dr.トレーニングサプリメント開発担当の豊田浩史です。


私は日本人の多くが予防にお金をかけず、治療にお金をかけることに強い疑問を持っております。
つまり、薬に頼りすぎているということです。
病気は外的要因などありますが、根本は普段の栄養摂取が大きく関係しています。
また、現在主流の西洋医学は現代人に栄養失調はないと決めつけている傾向があります。
このような流れを変えたいと思い、現在トレーニング指導やサプリメント開発に携わっています。
少し難しい内容もあると思いますが、健康のまま人生を全うしたい人は是非ご覧いただけたら幸いです。

今回は「エネルギー制限と寿命の関係性」について解説していきます。
近年はファスティングなどが注目を浴び、実践している人が増えているようです。 ファスティングには様々な種類があり、全てが健康に良いかというとなんとも言えないとこですが、、、。

しかし、エネルギー摂取を制限することが寿命を伸ばすことにつながることが近年になって分かってきました。 様々な健康法はありますが、エネルギーを制限するだけで寿命が延びればこんなに嬉しいことはありません。少しでも長生きしたい人は最後まで読んでみてください。

エネルギー摂取量と寿命

よく食事は「腹八分目に抑えなさい」と言われてきた人も多いのではないでしょうか? 恐らくこれは先人の方達がお腹いっぱいに食事をするよりも、その手前で抑えた方が体調が良いという経験から言われるようになったのでしょう。

先人の知恵はなかなか凄いもので、近年この腹八分目が寿命を伸ばすことが分かってきました。 例えば、マウスを食事を自由に与えたグループと制限したグループに分けたところ、制限したグループの方が35〜65%も長く生きたことが報告されています。(※1)

この研究はほんの一例で、猿など様々な動物でもエネルギー摂取を制限した方が寿命が長くなることも分かっています。 流石に人間では同じような実験はできませんが、エネルギー制限が寿命となんらかの関係があることは明白でしょう。

なぜ寿命が延びるのか

多くの人はエネルギー摂取を制限した方が、肥満などのリスクが減少して生活習慣病にかかりにくいと考えるでしょう。確かにこれは一理あるでしょう。
しかし、それならば痩せ型の人は皆寿命が長いことになります。 他に何らかの原因があるはずです。

一つ目は、老化のレドックスストレス仮説です。(※2)
この仮説は食事を適度に制限することによって、酸化剤(活性酸素など)の生成を低下させることができるということです。

二つ目は、サーチュイン遺伝子の活性化です。 サーチュイン遺伝は別名長寿遺伝子とも言われていて、エネルギー摂取量の制限を行い、細胞内が低栄養状態になると活性化することが報告されています。(※3)

また、ぶどうの皮などに含まれるレスベラトロールもサーチュイン遺伝子を活性化することで有名です。(※4)
これらの理由から適度な断食(8時間断食など)やアンダーカロリーに保つことは、寿命を延ばすために有効かもしれません。

参考文献

(※1)Weindruch R, Walford RL, Fligiel S, Guthrie D. The retardation of aging in mice by dietary restriction: longevity, cancer, immunity and lifetime energy intake. J Nutr. 1986 Apr;116(4):641-54. doi: 10.1093/jn/116.4.641. PMID: 3958810. (※2)Sohal RS, Forster MJ. Caloric restriction and the aging process: a critique. Free Radic Biol Med. 2014 Aug;73:366-82. doi: 10.1016/j.freeradbiomed.2014.05.015. Epub 2014 Jun 2. PMID: 24941891; PMCID: PMC4111977.
(※3)Zhu Y, Yan Y, Gius DR, Vassilopoulos A. Metabolic regulation of Sirtuins upon fasting and the implication for cancer. Curr Opin Oncol. 2013 Nov;25(6):630-6. doi: 10.1097/01.cco.0000432527.49984.a3. PMID: 24048020; PMCID: PMC5525320.
(※4)Alcaín FJ, Villalba JM. Sirtuin activators. Expert Opin Ther Pat. 2009 Apr;19(4):403-14. doi: 10.1517/13543770902762893. PMID: 19441923.

 

[筆者]  Dr.トレーニングプラス 開発担当
豊田浩史
保有資格
・ADIDAS FUNCTIONAL TRAINER[監修] 
【監修】
株式会社Drトレーニング代表取締役 山口元紀
保有資格
・BOC ATC (全米アスレティックトレーナーズ協会認定トレーナー)
・NASM-PES (全米スポーツ医学協会認定パフォーマンス向上スペシャリスト) ・PRI Myokinematic Restoration
・PRI Plelvic Restoration
・IASTM
・NKT
・SFMA
・BTS ・保健体育科教員免許 経歴
・元レッドソックス アスレティックトレーナー
・FUBIC 外部取締役
・ミス・ワールドジャパン公式トレーナー

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