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マーガリンは悪者か?昔のマーガリンと今のマーガリンは少し違う!

コラムをご覧いただきありがとうございます。
Dr.トレーニングサプリメント開発担当の豊田浩史です。


私は日本人の多くが予防にお金をかけず、治療にお金をかけることに強い疑問を持っております。
つまり、薬に頼りすぎているということです。
病気は外的要因などありますが、根本は普段の栄養摂取が大きく関係しています。
また、現在主流の西洋医学は現代人に栄養失調はないと決めつけている傾向があります。
このような流れを変えたいと思い、現在トレーニング指導やサプリメント開発に携わっています。
少し難しい内容もあると思いますが、健康のまま人生を全うしたい人は是非ご覧いただけたら幸いです。

今回解説するのは「マーガリンが身体に与える影響」についてです。
このコラムを読んでいる健康意識の高い方はマーガリンやショートニングは健康に悪いイメージを持たれていると思います。

そのイメージは決して間違っていません。そのため、過度にマーガリンなどを拒絶している人も多々見受けられます。

しかし、近年のマーガリンは過度に拒絶する必要もないかもしれません。 今回の内容は最新のマーガリンとの付き合い方を解説していきます。

マーガリンが危険視される理由

マーガリンが危険視される理由として最も論点に上がってくるのが、「トランス脂肪酸」でしょう。
トランス脂肪酸は自然界に存在しない脂肪酸(一部は除く)のため、体内に入ると様々な悪影響を及ぼすとされています。

トランス脂肪酸と健康について解説する前に、トランス脂肪酸は何が他の脂肪酸と違うのかを簡単に説明します。

食品に含まれる大部分の不飽和脂肪酸は「シス型」となっています。 シスとは同じ側で、トランスは横切ってという意味になります。

何が同じ側かというと、二重結合の炭素につく水素が「同じ側」にある状態を示します。
言葉で説明してもイメージしにくいと思うので、図を見ていきましょう。

よく見ていただくと、真ん中の二重結合部分(=の部分)の炭素(赤色)に結合している水素がcis(シス型)では同じ方向へ結合していて、trans(トランス型)は炭素を挟んで反対側に結合しています。
簡単にまとめると、トランス脂肪酸は不自然な構造をしている脂肪酸ということです。

トランス脂肪酸は悪者か

結論から述べると、最近のマーガリンやショートニングが身体に与える影響は基本的に気にしないでも大丈夫です。

よくトランス脂肪酸否定派が取り上げるものは、トランス脂肪酸はHDLを減少させLDLを増加させるとうものです。(※1)
また筆者が一番警戒しているのが細胞膜の構成を変化させてしまうということです。

しかし、このような研究は多めのトランス脂肪酸を摂取した時になります。 このような報告に対して、低濃度ならほとんど影響を与えないとされる報告もあります。(※2)

特に近年のマーガリンは企業努力もあり、含まれるトランス脂肪酸はかなり減少しています。
みんな大好きコーヒー牛乳でおなじみ小岩井乳業株式会社は2020年にマーガリンに含まれるトランス脂肪酸量の約50%減に成功しています。(※3)

このようなことからも、毎食マーガリンが含まれる菓子パンを食べるのは勧められませんが、デザートなどの嗜好品として食べる分には特に問題はなさそうです。

まとめ

・トランス脂肪酸(一部を除く)は自然界に存在しない脂肪酸である。
・トランス脂肪酸は低濃度なら特に悪影響はない。
・近年のマーガリンに含まれるトランス脂肪酸はかなり減少している。
・このようなことから厳格に避ける必要もなくなってきている。 

参考文献

(※1)Ginter E, Simko V. New data on harmful effects of trans-fatty acids. Bratisl Lek Listy. 2016;117(5):251-3. doi: 10.4149/bll_2016_048. PMID: 27215959.
(※2)Ritter MM, Richter WO. Trans-Fettsäuren und Lipide [Trans-fatty acids and lipids]. Fortschr Med. 1992 Apr 30;110(12):205-7. German. PMID: 1601364.
(※3)小岩井乳業株式会社 https://www.koiwaimilk.com/dairy/margarine/

[筆者]  Dr.トレーニングプラス 開発担当
豊田浩史
保有資格
・ADIDAS FUNCTIONAL TRAINER[監修] 
【監修】
株式会社Drトレーニング代表取締役 山口元紀
保有資格
・BOC ATC (全米アスレティックトレーナーズ協会認定トレーナー)
・NASM-PES (全米スポーツ医学協会認定パフォーマンス向上スペシャリスト) ・PRI Myokinematic Restoration
・PRI Plelvic Restoration
・IASTM
・NKT
・SFMA
・BTS ・保健体育科教員免許 経歴
・元レッドソックス アスレティックトレーナー
・FUBIC 外部取締役
・ミス・ワールドジャパン公式トレーナー

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