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【Dr.Protein】ストレスに勝つためには腸内環境を整えよう!

コラムをご覧いただきありがとうございます。
Dr.トレーニングサプリメント開発担当の豊田浩史です。


私は日本人の多くが予防にお金をかけず、治療にお金をかけることに強い疑問を持っております。
つまり、薬に頼りすぎているということです。
病気は外的要因などありますが、根本は普段の栄養摂取が大きく関係しています。
また、現在主流の西洋医学は現代人に栄養失調はないと決めつけている傾向があります。
このような流れを変えたいと思い、現在トレーニング指導やサプリメント開発に携わっています。
少し難しい内容もあると思いますが、健康のまま人生を全うしたい人は是非ご覧いただけたら幸いです。

概要

腸脳相関(腸と脳には深い関係性があること)と言われるくらい、腸と脳の関係性は深いです。

今回のコラムでは、腸内細菌が食物繊維を元に作り出す短鎖脂肪酸とストレスの関係性について解説します。

今回の内容を理解して、普段の食事を少し変化させるだけでストレス耐性が強くなることでしょう。

結論から述べると、
・慢性的なストレスは腸内細菌叢を変化させしてまう
・短鎖脂肪酸を増やすことによって、ストレス耐性が上がる
・食物繊維の摂取量を増やすと、短鎖脂肪酸が増加する

腸内環境とストレス

慢性的なストレスは、うつ病などを引き起こす重大な社会問題となっています。 慢性的なストレスは精神的ストレスなどの目には見えないストレスのことです。 逆に急性的なストレスとは、怪我などの一時的な炎症などのことを指します。

特に近年は腸脳相関(腸と脳には深い関係性があること)に高い関心が寄せられており、腸内環境の悪化がうつ病などの精神疾患の原因であると言われています。
そして、慢性的なストレスは腸内環境を変化させることが分かっています。

マウスの研究では、ストレスに曝露したマウスは腸内環境が悪化したことが報告されいます。(※1)
特にバクテロイデス属の細菌が大きく減少したことが分かっています。
このバクテロイデス属の細菌が少なくなると、太りやすくなるとも言われており、現代社会の肥満問題はカロリーだけではなく腸内環境の変化でも説明することができます。

まとめると、ストレスは腸内環境を悪化させてしまうということです。

短鎖脂肪酸がストレス耐性を強くする

短鎖脂肪酸とは酢酸や酪酸、プロビオン酸などの炭素数が6個以下の脂肪酸のことです。脂肪酸は炭素が鎖状に並んでいる構造なのですが、その鎖が短い脂肪酸のことです。

この脂肪酸は胃腸機能や代謝、血圧調整、炎症抑制、免疫機能など、私たちの身体に大きな影響を与えています。

この短鎖脂肪酸をストレスを与えられたマウスに経口摂取させた研究があります。(※2)
この研究では、短鎖脂肪酸を与えられたマウスは、抗不安作用、抗うつ作用、腸の透過性増加が緩和を示したことが報告されています。
つまり、短鎖脂肪酸を摂取したことによってストレス耐性が強化されたということです。

腸の透過性とは、腸の異物を通すゲートのレベルのことです。
透過性が増加するということは、ゲートが緩くなり異物が体内に侵入する可能性が上がります。 逆に透過性が減少するということは、ゲートが厳しくなり異物が体内に侵入する可能性が低いということです。

この透過性が増加するとアルツハイマーや様々な疾患の原因になることが分かっています。

短鎖脂肪酸を増やすには

短鎖脂肪酸は食品にはほとんど含まれていません。
しかし、私たちは腸内細菌の協力を得て短鎖脂肪酸を作り出すことができます。 腸内細菌は食物繊維を発酵することによって、この短鎖脂肪酸を作り出します。

つまり、短鎖脂肪酸を作り出すには食物繊維の摂取量が大切になります。
昔の人は食物繊維を50gも摂取していたと言われていますが、現在の食物繊維平均摂取量は14g前後と言われており、減少傾向にあります。

理想の食物繊維量は21gとも言われており、現代人は7g程度足りていないことになります。

食物繊維が多い食品は大麦やブロッコリーなどがありますが、毎日調理するのは面倒です。 そこで、果物や野菜をミキサーなどで調理してジュースにすることがおすすめです。
実際のところ、毎日の野菜・果物ジュースが腸内フローラを改善することが報告されています。(※3)

タンパク質の摂取と運動が腸内フローラの多様性と正の相関(※4)があることから、筆者は野菜・果物ジュースにプロテインやEAAなどを追加することを勧めます。

弊社が開発した「Dr.Protein」はタンパク質に加えイヌリン(水溶性食物繊維)と善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌)、グルタミン(腸内環境を整える)を豊富に配合しております。是非腸内環境に悩まれている方は試してみてください!

皆さんも腸内環境を整えて人生の質をより良いものにしていきましょう。

参考文献

(※1)Bailey MT, Dowd SE, Galley JD, Hufnagle AR, Allen RG, Lyte M. Exposure to a social stressor alters the structure of the intestinal microbiota: implications for stressor-induced immunomodulation. Brain Behav Immun. 2011 Mar;25(3):397-407. doi: 10.1016/j.bbi.2010.10.023. Epub 2010 Oct 30. PMID: 21040780; PMCID: PMC3039072.
(※2)Short-chain fatty acids: microbial metabolites that alleviate stress-induced brain–gut axis alterations
(※3)Choi YJ, Lee DH, Kim HS, Kim YK. An exploratory study on the effect of daily fruits and vegetable juice on human gut microbiota. Food Sci Biotechnol. 2018;27(5):1377-1386. Published 2018 May 17. doi:10.1007/s10068-018-0372-7
(※4)Clarke SF, Murphy EF, O'Sullivan O, Lucey AJ, Humphreys M, Hogan A, Hayes P, O'Reilly M, Jeffery IB, Wood-Martin R, Kerins DM, Quigley E, Ross RP, O'Toole PW, Molloy MG, Falvey E, Shanahan F, Cotter PD. Exercise and associated dietary extremes impact on gut microbial diversity. Gut. 2014 Dec;63(12):1913-20. doi: 10.1136/gutjnl-2013-306541. Epub 2014 Jun 9. PMID: 25021423.

[筆者]  Dr.トレーニングプラス 開発担当 豊田浩史
【保有資格】
・ADIDAS FUNCTIONAL TRAINER

【監修】
Dr.トレーニング CEO 山口元紀



【活動内容】
世界3大ミスコン公式トレーナー歴任
Dr.ストレッチ 技術監修
海外研修(アメリカやスペインのプロスポーツチーム帯同)

【職歴(インターン含む)】
Boston Red Sox
Tampa Bay Rays
KC Royals

【学歴】
日本大学文理学部体育学科(学士号)
Texas Tech University Health Sciences Center Athletic Training(修士号)

【資格】
NATA-ATC(全米アスレティックトレーナーズ協会認定トレーナー)
NASM-PES(全米スポーツ医学協会認定パフォーマンス向上スペシャリスト)
PRI Myokinematic Restoration
PRI Plelvic Restoration
IASTM(Instrument Assisted Soft Tissue Mobilization)
NKT(Neuro Kinetic Therapy)
SFMA(Selective Functional Movement Assessment)
BTS(Barefoot Training Specialist)
SMBA (Spinal Movement and Breathing Assessment)
保健体育科教員免許

山口元紀ブログ🔻
https://drtraining.jp/blog/

 

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