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NAD+が加齢による免疫力低下を防ぐ

コラムをご覧いただきありがとうございます。
Dr.トレーニングサプリメント開発担当の豊田浩史です。
私は日本人の多くが予防にお金をかけず、治療にお金をかけることに強い疑問を持っております。
つまり、薬に頼りすぎているということです。
病気は外的要因などありますが、根本は普段の栄養摂取が大きく関係しています。
また、現在主流の西洋医学は現代人に栄養失調はないと決めつけている傾向があります。
このような流れを変えたいと思い、現在トレーニング指導やサプリメント開発に携わっています。
少し難しい内容もあると思いますが、健康のまま人生を全うしたい人は是非ご覧いただけたら幸いです。

今回は「ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NAD +)と免疫力」について解説していきます。
近年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)もあり、感染症対策が多く取り上げられています。
特にCOVID-19は高齢者や基礎疾患を持っていて免疫力が著しく低下している人が重症化するケースが報告されています。
COVID-19は一つの感染症にすぎず、今後新たに多くの感染症が流行ることでしょう。
人生100年時代を豊かに送るには免疫力を高く保つ必要があります。
今回は「老化に伴う免疫力低下を防ぐ」のに役立つ内容になっています。

免疫力は加齢とともに低下する

人間の細胞の細胞分裂は50回が限界です。
これは細胞の末端にある「テロメア」が分裂するたびに短縮してしまうためです。

生殖細胞や幹細胞や癌細胞はテロメアを延ばすことのできるテロメアーゼという酵素を持っているため上記には該当しません。

高齢者の免疫力低下の原因として、細胞のテロメアが短縮しており、リンパ球などの免疫細胞の増殖が制限されていることが指摘されています。

免疫細胞が病原菌などの抗原を攻撃する場合、リンパ球がクローン性に増殖する必要があります。
リンパ球のクローン性増殖とは、ターゲットとなる病原菌などに特異的に反応するリンパ球が細胞分裂を繰り返して同じ細胞を増やすことです。
例えば、リンパ球のテロメアが短く、10回しか分裂できないと2の10乗の細胞数は1024個になります。
1000個程度のリンパ球では病原菌や癌細胞に十分な攻撃はできません。

簡単にまとめると、高齢になると免疫細胞の数が不足して、通常は重症化しない感染源でも重症化してしまうのです。
今回のコロナウイルスが良い例です。

NAD+を増やすと免疫力が向上する

NAD+とはニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドのことで、ニコチンアミド・モノヌクレオチド(NMN)が前駆体となります。
また、ニコチン酸(ナイアシン)やトリプトファンからも生成されます。

上記でも述べた通り、テロメアの短縮は免疫細胞の機能と発達に悪影響を及ぼします。 テロメアの短縮は加齢ともに進行しますが、NAD+を投与することによって抑制できることが報告されました。(※1)

この報告では、NAD+レベルを上げるとテロメアが安定し、免疫細胞の機能にプラスの影響を与えるとされています。また、PARP-1を阻害することにより、炎症を誘発するサイトカインの過剰活性化も防ぐことが分かっています。

体内のNAD+レベルは加齢と共に減少して80歳を迎える頃には、20歳の約4分の1まで低下します。

しかし、現代ではサプリメントなどがあるため体外から摂取し、レベルを上げることが可能です。
このようなことからも2020年初頭にNMNのサプリメントが一時期大流行しました。
しかし、NMNは他のサプリメントに比べるとやや高価で、研究報告などもまだまだ数が少ないのが現状です。

なので、筆者はNMNの前駆体であるNR(ニコチンアミドリボシド)を推奨します。
NRでも十分NAD+レベルことが分かっています。(※2)
こちらのサプリメントは近年比較的に安い価格で購入できるようになってきました。

おすすめのNRサプリメント🔻
https://iherb.co/J9dJiDg

年を重ねるたびに風邪にかかりやすくなったと感じる方は、今回の内容を参考にしてみてください。

参考文献

(※1)Omran HM, Almaliki MS. Influence of NAD+ as an ageing-related immunomodulator on COVID 19 infection: A hypothesis. J Infect Public Health. 2020;13(9):1196-1201. doi:10.1016/j.jiph.2020.06.004

(※2)Trammell SA, Schmidt MS, Weidemann BJ, Redpath P, Jaksch F, Dellinger RW, Li Z, Abel ED, Migaud ME, Brenner C. Nicotinamide riboside is uniquely and orally bioavailable in mice and humans. Nat Commun. 2016 Oct 10;7:12948. doi: 10.1038/ncomms12948. PMID: 27721479; PMCID: PMC5062546.



[筆者] Dr.トレーニングサプリメント開発担当 豊田 浩史
保有資格
・ADIDAS FUNCTIONAL TRAINER

[監修] 株式会社Drトレーニング代表取締役  山口元紀
保有資格
・BOC ATC (全米アスレティックトレーナーズ協会認定トレーナー) ・NASM-PES (全米スポーツ医学協会認定パフォーマンス向上スペシャリスト)
・PRI Myokinematic Restoration ・PRI Plelvic Restoration
・IASTM
・NKT
・SFMA
・BTS ・保健体育科教員免許 経歴
・元レッドソックス アスレティックトレーナー
・FUBIC 外部取締役
・ミス・ワールドジャパン公式トレーナー

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